救急救命士監修!ココロとカラダのヘルスケア

医療のプロ目線で綴る、幸せに生きるための備忘録

あなたの会社にはAEDがありますか?~AEDで助かる命~

 こんにちは。突然ですが、あなたはAEDを使えますか?と言われて「はい。」と答えられますか?

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 AED、街中でも見かける機会は多いと思います。学校や交番、市役所や駅等、あちこちで見かけますね。

 心肺停止の人に使うものとなんとなく理解していただいているとは思いますが、今回は私の体験談を踏まえてAEDの使い方を紹介したいと思います。

老人ホームに救急車で向かっているときの話

「傷病者は入所者、CPA状態、職員よりCPR実施中ではあるが、AEDはないとのこと。」との救急指令を受けて出動しました。ざっと説明すると、施設に入所していた方が心肺停止状態になり、心臓マッサージはしているがAEDが施設にないとの情報です。

 私自身、ほとんどの老人ホームにはAEDがあるものという認識だったため、通報内容に驚愕した覚えがあります。

 懸命な処置を実施しましたが、残念ながらその方は亡くなってしまいました。

 当然、AEDがあれば助かったとは一概に言えませんが、遺族の方は納得するでしょうか、、、

AEDってそもそもなに?

AEDは何をする装置なのでしょうか。

止まった心臓を動かす装置?残念ながら少し違います。

AEDは日本語で言うと「自動体外式除細動器」と言います。

つまり「除細動」をする装置なのです。

「除細動」とは「心室細動」という心臓の状態から細動を除いて、元に戻してやることを言います。

 「心室細動」とは、心臓がブルブルと震えて全く言う事を聞かなくなった状態です。この間は心臓はATPというエネルギーを莫大に消費しながらも、体に血液を巡らせることができない状態です。

 心肺停止直後の心臓はこの心室細動のなっているケースが多く、一秒も早い除細動が蘇生に不可欠と言っても過言ではありません。

AEDのことはなんとな~くわかった。んで使い方は?

 AEDが何をする装置かはふわっとわかって頂けたかと思います。

では肝心のAEDの使い方の説明です。

 AEDは電源ボタンを押す、もしくは蓋を開けると音声メッセージが流れます。

 基本的にはその音声メッセージに従うだけでオッケーです。

 誰でも簡単に使えるようにできており、小学生が使って命を救った例もあります。

 手順の流れとしては

①付属のパッドを胸に2枚貼る

②自動で解析してくれる

③電気ショックが必要だ(つまり心室細動)とAEDが判断したらショックメッセージが流れる

④ショックボタンを押す

となりますが、この間、すべて音声メッセージに従うだけです。

使うのは簡単。大切なのは勇気!

以上説明した通り、AEDは使い方としてはすごく簡単です。

大切なのは使おうという勇気です。物怖じしていては人は助かりません。間違っていたとしても、使ってみることが大切です。

 

あなたの会社にはAEDありますか?

ここでお聞きしたいことがあります。あなたが通勤している会社にはAEDあるでしょうか。

 先ほど述べた通り、老人ホームにすらAEDが無かったこともあり、まだまだ普及しきってはいないと感じています。

 老人ホームにはもちろん、オフィスにもある必要があると感じます。

経営者側として考えてみると

AEDの設置について、経営者側から考えてみると無駄なコストに感じるかもしれません。しかし、もし(老人ホームであれば)入所者の方、(オフィスであれば)社員の方にアクシデントがあった場合にAEDが無く、そのことが原因で蘇生できなかったら、その後どうなるでしょう、、、

遺族はそれを納得するでしょうか。

 

 

 

確かに安価なものではないのですが、人の命に代えられるものではありません。

もし、オフィスにまだ設置がなされていない場合はご検討してみてはいかがでしょうか。