救急救命士監修!ココロとカラダのヘルスケア

医療のプロ目線で綴る、幸せに生きるための備忘録

本当にあった迷惑な救急要請

こんにちは。

今日は私が消防署で勤務していた時の、迷惑な救急利用者についての話をしたいと思います。

 

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ケース1 寂しくて119

 高齢な独居の方によくあるケースなのですが、家で一人で寂しくて、話し相手が欲しくて119するケースです。

 もちろん話し相手が欲しくて救急車を呼びました!とは言いませんが、例えば「頭が痛いです」と119して、現場に着いた時には特に訴えもなく、世間話を始めるといった感じです。

 ほとんどの場合が話をしばらく聞いたら、本人が搬送を辞退します。

 また、こういった方は繰り返し119されることが多かったです。

 寂しいという気持はわかるんですけどね、、、、

 

ケース2 早く診てもらいたいから119

 一刻も早く病院で診てもらいたいから救急要請するパターンです。

 もちろん、一秒を争う状況なら救急要請していただいて構いませんし、救急要請するべきなのですが、「救急車を呼んだほうが早く診てもらえるので119しました」という方のほとんどは緊急性が低いパターンです。

 定期受診日に、病院で待つのがいやだから救急車を呼んだり、なかには、化粧までばっちりして、救急車を呼ぶ方もいます。

 ちなみに、救急車を呼んだからと言って、早く診てもらえるなんてことはありません。

 先生へ救命士が申し送りを行い、先生が問診を実施、緊急性が低いと判断されたら、普通に待合室で待ってもらいます。(緊急性が高い時はもちろん優先されます)

 

ほかにも、同じような頭を抱えてしまう案件がたびたびあるのですが

救急車1回、いくらかかっているかご存知ですか?

 救急車1回の出動にかかる税金、およそ4~5万といわれています。これは、人件費、資機材の金額、ガソリン代、車両代などの予算を件数で割って出した数字なのですが、想像より高いと感じる方が多いのではないでしょうか。

 もちろん、一部の不適切な利用をされる方にも、同じ金額が掛かっています。

 

本当に必要なひとのもとへ駆けつけるためにも

 費用の問題のほか、救急車は数に限りがあります。上記のような、本来であれば救急車が必要ない現場へ出動しているときに、本当に救急車を必要とする救急要請があったとしたらどうでしょうか?

 そして、実際に駆けつけることが出来なかったという事案もあります。

 救急要請のうち約50%は軽傷患者というデータもあります。

 一人でも多くの命を救うために、ぜひ、救急車の適切な利用をお願いします。

 

また、救急要請するべきか悩まれた場合は♯7119にコールして、相談できるサービスを展開している市町村もありますので、該当する市町村のお住まいのかたは、そちらも利用してみてください。